新品の洋服を買って袋を開けた瞬間、「ツンとする嫌なニオイ…」と感じたことはありませんか？実はこのニオイ、製造過程で使われる化学薬品や長距離輸送の環境が原因となっていることが多いんです。しかも、敏感な人にとっては健康への影響もあると言われています。でも安心してください。ちょっとした工夫で、このイヤなニオイは自宅で簡単に取り除けるんです！この記事では、新品の洋服のニオイの原因から安全な取り方、服選びのコツまで、わかりやすく徹底解説します！
新品の洋服がくさいのはなぜ？原因を徹底解説
よくある「ツンとする匂い」の正体
新品の洋服を買って袋から出したとき、鼻につくようなツンとした匂いを感じたことはありませんか？このニオイの正体は、主に「ホルムアルデヒド」や「染料・接着剤に含まれる化学物質」だと考えられています。これらは、洋服の形を整えたり、色落ちを防いだり、防カビ・防虫処理をするために使われるものです。
特にホルムアルデヒドは、シワになりにくい加工（ノンアイロン加工など）に使われることが多く、アレルギーや敏感肌の人には注意が必要な成分でもあります。日本ではある一定量を超えると子ども向け製品への使用は禁止されているほどで、人体への影響も考慮されているのです。
ただし、洋服に含まれている量は基準値以下であることがほとんどなので、一般的には安全ですが、気になる場合は一度洗濯したり、風通しの良い場所で陰干ししてから着用するのがおすすめです。
このツンとしたニオイは、新品の「証」でもありますが、成分の揮発によって徐々に薄れていきます。そのため、時間をかければ自然と気にならなくなるケースも多いのです。
化学薬品の影響とは？
新品の洋服のニオイの原因は、私たちが思っている以上に化学薬品によるものが多いです。製造段階では、布地を染めるための染料、柔らかさを出す加工剤、防しわ加工剤、防虫剤、防カビ剤など、多種多様な化学成分が使われています。
これらの薬品は製品の質を保つうえで必要なものですが、残留していると独特のニオイを放つ原因になります。特に海外製の衣類は、長距離の輸送中に湿気やカビの発生を防ぐため、強めの薬品処理が施されていることが多いです。
また、製造工場の衛生環境や規制基準は国ごとに異なるため、日本に比べて規制が緩い国で作られた衣類ほど、強いニオイが残っていることがあります。これは品質が悪いというわけではなく、あくまで製造・流通環境の違いによるものです。
そのため、初めて着る前に洗濯することで、こうした化学薬品の影響を和らげることができます。特に肌が弱い方や赤ちゃん用の衣類は、念のために一度洗うのが安心ですね。
製造〜流通で発生するニオイの流れ
新品の服に残るニオイは、製造から流通、そして販売までの工程全体に関わっています。まず、繊維の製造工場では糸を作り、生地を織る工程で化学薬品を使用します。次に、その生地を染める「染色工程」では、特に多くの薬品が使われます。さらに仕上げ工程で形状記憶や防カビ処理などの加工がされると、それに伴うニオイも加わります。
この段階で既に独特のニオイは発生していますが、まだ終わりではありません。完成した服は長時間かけて船便や飛行機で運ばれますが、その間、密閉されたコンテナの中で熱や湿気にさらされ、化学物質が揮発して服にニオイが染みついてしまうのです。
倉庫保管や店舗に並ぶまでの過程でさらに空気がこもる場所に置かれることが多く、これが「袋から出したとたんにニオイが強い」と感じる原因になります。
つまり、洋服のニオイは製造だけでなく、保管や輸送の影響も大きいのです。
素材別で異なるニオイの特徴
実は、洋服の素材によってもニオイの強さや種類は異なります。たとえば、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は加工が多く、ニオイが残りやすい傾向があります。これらの素材はシワになりにくいなどの利点がある反面、防シワ加工などでホルムアルデヒドが使われるケースもあるため、特有のツンとしたニオイがすることが多いのです。
一方、コットン（綿）やリネン（麻）などの天然繊維は、比較的ニオイが少ないですが、染色剤や柔軟剤の影響でやや甘い香りや化学的なニオイを感じることもあります。ウールなどの動物性繊維は、独特の獣臭のような匂いを感じることもあります。
素材によってニオイの感じ方が変わるため、服を選ぶときには素材表記をチェックし、できれば触ったり嗅いだりして判断するのがおすすめです。
どんな服でもニオイがするわけではない？
「新品の服＝必ず臭う」というわけではありません。実際に、ニオイが全く気にならない洋服もありますし、開封した瞬間からふんわりと良い香りがする服も存在します。
これは、製造過程で使われる薬品の種類や量、または製品の保管・包装方法による違いです。例えば、環境に配慮したオーガニック素材や、ノンケミカル加工をうたうブランドの服は、ニオイが少ない傾向があります。また、個包装でしっかり密封されている商品よりも、風通しの良い状態で保管されていた服の方がニオイが薄れていることもあります。
つまり、すべての新品の服にニオイがあるわけではなく、素材や製造・流通の条件次第で大きく差が出るのです。
匂いが健康に与える影響はあるの？
アレルギーや肌荒れのリスク
新品の洋服に含まれる化学物質は、特に敏感肌の方やアレルギー体質の方にとっては注意が必要です。よく問題になるのが「ホルムアルデヒド」という成分で、これはシワを防ぐための加工や防カビ・防虫処理に使われています。ホルムアルデヒドは揮発性が高いため、肌に触れたり、吸い込んだりすることでアレルギー反応を引き起こすことがあります。
特に赤ちゃんや子ども、アトピー性皮膚炎の方は、ホルムアルデヒドに敏感なことが多く、新品の服をそのまま着ると湿疹やかゆみ、赤みといった肌トラブルが起こる可能性があります。実際、日本では子ども用衣類に対するホルムアルデヒドの使用量には厳しい基準が設けられていますが、海外製品や安価な衣類では規制が緩い場合もあるため注意が必要です。
予防策としては、購入後すぐに洗濯をして、余分な化学成分を落とすこと。また、最初の数回は肌に直接触れないように、下着やインナーの上から着るようにするのも効果的です。特に汗をかく季節は、肌トラブルのリスクが高まるので、新品の服ほど慎重に扱うことが大切です。
吸い込みすぎるとどうなる？
新品の服から発生する揮発性の化学物質は、空気中に漂っているため、気づかないうちに私たちはそれを吸い込んでいます。短時間であれば特に問題ありませんが、密閉された部屋で何枚も袋から出したり、大量の衣類を一気に開封するような場面では、体に影響を与える可能性もあります。
例えば、ホルムアルデヒドは長時間吸い込むと、目や喉の刺激、頭痛、吐き気といった軽度の症状が出ることがあります。特に換気の悪い部屋や、気温が高くて揮発しやすい環境では注意が必要です。
また、化学物質過敏症という症状を持つ人は、わずかな化学成分にも反応して体調を崩すことがあります。このような人にとっては、新品の衣類のニオイでも目まいや息苦しさを感じることがあります。
このため、新しい洋服を家に持ち帰ったら、できるだけ風通しの良い場所で広げてしばらく放置するのが効果的です。気になるニオイがある場合は、まず着る前に換気をしながら対応しましょう。
敏感な人が気をつけたいポイント
肌が弱い、アレルギー体質、化学物質に過敏など、敏感な体質の方は、洋服のニオイに対してより慎重になる必要があります。まず意識したいのが「素材選び」。綿や麻などの天然素材の服は、化学処理が少ない場合が多く、刺激も少なめです。一方、ポリエステルなどの合成繊維は加工の段階で多くの化学薬品が使われており、ニオイも強くなりやすい傾向があります。
また、購入する際にはできるだけ店頭で商品を確認するようにしましょう。袋に入っている場合でも、軽く開けてニオイを確認できることがあります。通販の場合は口コミをチェックして、「ニオイが気になる」「一度洗ったら落ちた」などの記述を参考にするとよいでしょう。
さらに、自宅に持ち帰ったあとは、必ず一度洗濯をしてから着ること。洗剤も敏感肌用や無香料のものを使い、すすぎをしっかり行うことで、体への影響を最小限に抑えられます。
子どもやペットへの影響は？
子どもやペットは大人よりも体が小さく、化学物質の影響を受けやすいため、新品の服のニオイ対策は特に重要です。赤ちゃん用の肌着やパジャマなどは、肌に直接触れるものが多いため、購入後すぐに着せるのではなく、必ず一度洗濯してから使用するのが基本です。
また、子どもは汗をかきやすく、皮膚も薄いため、刺激物が直接触れると赤みやかゆみを引き起こすこともあります。小さな子どもがいる家庭では、「新しい服は必ず洗う」という習慣をつけると安心です。
一方、ペットに関しても、飼い主の服に付いた成分が影響することがあります。特に猫はホルムアルデヒドに敏感だと言われており、飼い主の服や寝具に残った成分が原因で、体調を崩すケースもあります。
ペットと密接に暮らしている家庭でも、新品の布製品は一度洗ってから使用することが推奨されています。
国の安全基準はクリアしているのか
日本で販売されている衣類の多くは、厚生労働省や経済産業省が定めた「家庭用品品質表示法」や「有害物質の規制」に基づき、ホルムアルデヒドなどの有害物質について基準値以下であることが確認されています。特に子ども用の製品では、ホルムアルデヒドの含有量は厳しくチェックされており、安全性の確保が義務付けられています。
しかし、海外製品やインターネット通販などで安く購入した衣類の場合、この基準が適用されていないケースもあるため注意が必要です。中には輸入の際に検査を受けずに流通している商品もあり、ニオイが強い場合はこうした商品の可能性も考えられます。
信頼できるブランドや販売元を選び、表示ラベルにある情報（製造国や素材、薬品処理の有無など）をチェックすることで、リスクを減らすことができます。購入前のひと手間で、健康被害を未然に防ぐことができるのです。
自宅でできる新品の服の匂いの取り方5選
陰干しでゆっくり匂いを飛ばす方法
新品の洋服のニオイが気になるとき、最も手軽で誰でもできる対処法が「陰干し」です。これは、直射日光を避けた風通しの良い場所で、洋服を数時間から一晩程度干しておくという方法です。洋服に含まれる揮発性の化学物質（ホルムアルデヒドや防カビ剤など）は、空気にさらされることで少しずつ揮発していくため、自然にニオイが薄まっていきます。
陰干しをする際は、なるべく窓の近くや屋外の影のある場所を選びましょう。直射日光は生地を傷める原因になるため避けるのがベストです。洋服の内側や裏返しにして干すことで、ニオイがより効果的に抜けやすくなります。
特に敏感肌の方や子ども用の衣類では、洗濯前にまず陰干しをしてから、洗濯機にかけることで、より肌に優しい状態に仕上げることができます。少し手間はかかりますが、自然な方法で化学物質を飛ばせるため、安全性も高く安心して取り入れられる方法です。
重曹を使ったニオイ取りテクニック
重曹は、料理や掃除だけでなく、衣類の消臭にも使える万能アイテムです。新品の洋服のニオイが気になるときには、重曹を使った「つけ置き洗い」が効果的です。まず、洗面器やバケツに水を張り、そこに大さじ2〜3杯の重曹を溶かします。次に洋服をその中に入れて、30分〜1時間ほど浸け置きしましょう。
重曹はアルカリ性で、化学物質の中和や臭いの吸着に優れているため、つけ置くだけで洋服に残った不快なニオイを吸収・分解してくれます。つけ置きが終わったら、通常通り洗濯機で洗うことで、スッキリとした仕上がりになります。
また、重曹を直接洗濯機に入れる方法もあります。洗剤と一緒に重曹をカップ1杯程度入れるだけで、衣類全体の消臭効果が期待できます。ただし、シルクやウールなどの繊細な素材には使用を避け、素材表示を確認してから行いましょう。
洗濯時に加えると効果的なアイテム
新品の洋服のニオイを効率よく取り除くには、洗濯時に特定のアイテムを加えることで、より高い効果を得ることができます。まずおすすめなのが「クエン酸」。クエン酸は酸性の性質を持ち、アルカリ性の臭い物質を中和してくれます。柔軟剤代わりに使えば、衣類に優しい上にニオイもしっかり除去してくれます。洗濯のすすぎ時に小さじ1程度を加えるだけでOKです。
もうひとつ注目したいのが「酸素系漂白剤」。塩素系ではないため衣類を傷めにくく、色落ちの心配も少ないのが特徴です。これを洗剤と一緒に使うことで、ニオイの原因物質を酸化分解してくれるため、新品のケミカルな匂いにも効果的です。
さらに、市販の「衣類用消臭ビーズ」や「除菌消臭スプレー」も役立ちますが、香料が強すぎる製品はかえってニオイを増すこともあるため、無香料タイプやナチュラル成分の商品を選ぶのがおすすめです。
スチームアイロンの意外な使い方
アイロンというと、シワを伸ばすために使うものというイメージがありますが、実は「スチームアイロン」は新品の洋服のニオイ対策にも役立ちます。スチーム（蒸気）には、ニオイの元になる化学物質を揮発させて飛ばす効果があります。
使い方は簡単で、洋服をハンガーにかけた状態で、スチームを当てるだけ。アイロンのスチームボタンを連打するようにして、洋服全体にまんべんなく蒸気をあてていきます。とくに首元や脇の下、袖の内側など、ニオイがこもりやすい部分は重点的に処理すると効果的です。
高温のスチームによって繊維がほぐれることで、薬品の残留成分が気化しやすくなり、結果としてニオイも軽減されます。注意点としては、シルクやレーヨンなど、熱に弱い素材の場合は使用を避けるか、あて布をして慎重に扱うようにしましょう。
どうしても取れない時の最終手段
ここまでの方法を試してもまだニオイが取れない場合、最終手段として「クリーニング店での専門処理」をおすすめします。特に化学繊維の服や特殊加工された衣類は、家庭での洗濯だけではニオイが取れにくいことがあります。プロのクリーニングでは、専用の薬剤や高温スチーム処理などで、家庭では難しいレベルの消臭が可能です。
また、クリーニング店によっては「消臭・抗菌加工オプション」が用意されていることもあり、これを活用することでニオイの再発も防げます。費用は多少かかりますが、肌トラブルを避けたい方や、大切な一着の場合には価値ある選択です。
その他、自宅で試す最終手段として「衣類用のオゾン消臭機」などもあります。これらは家庭用でも販売されていますが、比較的高価なので頻繁に使う方や複数の衣類をまとめて消臭したい方には向いています。
こんな方法は逆効果！やってはいけない匂い取り
香水や消臭スプレーの落とし穴
新品の洋服のニオイが気になったとき、とっさに「香水」や「消臭スプレー」でごまかそうとする方も多いかもしれません。しかし、これは実は逆効果になるケースが非常に多いです。まず、香水を直接服にかけてしまうと、化学的なニオイと香水の香りが混ざり合い、不快な臭いを発してしまうことがあります。さらに、香水に含まれるアルコール成分が生地を傷めたり、シミになる原因にもなります。
また、市販の消臭スプレーには香料が含まれていることが多く、「香りでごまかす」タイプの製品がほとんどです。これらを使用すると、もとのニオイを取り除くどころか、別のニオイが混ざってしまい、かえって気分が悪くなることもあるのです。
根本的な解決を望むのであれば、香りでごまかすのではなく、「原因となる物質を取り除く」ことが重要です。スプレーを使うにしても、無香料タイプやナチュラル成分で作られた消臭剤を選びましょう。香りの強い製品は一時的には快適に感じても、時間が経つとニオイの元が再び浮かび上がってくることもあるので注意が必要です。
直射日光に長時間当てる危険性
ニオイを飛ばそうとして、洋服を直射日光に長時間当てるのは、実は非常に危険です。確かに紫外線や高温によって化学物質が揮発しやすくなることはありますが、その反面、生地が傷みやすくなるという大きなデメリットがあります。
特に色柄ものの服は、日光によって色あせしてしまうリスクがあります。黒やネイビーなど濃い色の服は変色が目立ちやすく、せっかくの新品が一度で台無しになってしまうことも。また、ポリエステルなどの化学繊維は熱によって縮んだり、風合いが損なわれたりする可能性もあります。
どうしても屋外で干したい場合は、「陰干し」が基本です。直射日光ではなく、風通しの良い日陰に干すことで、ニオイを飛ばしながらも生地へのダメージを最小限に抑えることができます。特に高級な服やお気に入りの一着には、丁寧なケアが必要です。
熱湯を使うのはNG？
ニオイを消したい一心で「熱湯で洗えば一発で落ちるんじゃ？」と思う方もいるかもしれません。しかし、これは非常にリスキーな方法です。まず、熱湯は多くの衣類にとって繊維を傷める原因になります。特にコットンやウール、レーヨンなどの天然繊維は、熱で縮んだり変形したりしやすく、元の形に戻らないこともあります。
また、化学繊維であっても、高温のお湯で洗うことで繊維のコーティングが剥がれ、テカリが出たり風合いが損なわれることがあります。さらに、染料が流れ出して色落ちするリスクも高まるため、他の洗濯物と一緒に洗うのも避けるべきです。
どうしてもお湯を使いたい場合は、ぬるま湯（30〜40℃程度）を使用するのが無難です。ぬるま湯はニオイの元となる油分や化学物質を緩やかに落としてくれますし、衣類にも比較的優しい温度です。急激な温度変化は繊維に負担をかけるので、やさしく取り扱うことが長持ちのコツです。
冷凍庫に入れる都市伝説とは？
「服を冷凍庫に入れるとニオイが消える」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。確かにこれは一部の靴やデニムに対して行われるテクニックですが、新品の洋服のニオイに対しては、ほとんど効果がないとされています。なぜなら、冷凍することで雑菌の繁殖を一時的に止めることはできても、化学物質によるニオイは温度とは無関係なためです。
さらに、洋服を冷凍庫に入れることで、水分が凍って繊維にダメージを与えることがあります。特に繊細な素材は縮みや変形のリスクが高く、衛生面でも食品と一緒に入れるのは避けた方がよいでしょう。
冷凍庫でのニオイ対策は、あくまで「体臭」や「汗」のニオイなど、生きている細菌によるものに限られます。新品の化学臭にはほとんど効果がないので、この方法は実用的とは言えません。
素材を傷める洗剤の使いすぎ
「ニオイが気になるから」と言って、強力な洗剤を大量に使って洗ってしまうのも逆効果です。洗剤を使いすぎると、繊維に洗剤成分が残留してしまい、それ自体がニオイの原因になってしまうこともあります。さらに、残留した成分が肌トラブルを引き起こすリスクもあるため注意が必要です。
また、強すぎる洗剤は繊維を傷めてしまうこともあり、ゴワゴワした肌ざわりや、変色・色落ちの原因になります。特に漂白成分が含まれる洗剤や、アルカリ性の強い洗剤は、使い方を誤ると服をダメにしてしまうこともあります。
洗剤は適量を守り、しっかりとすすぎを行うことが大切です。必要に応じて、すすぎを2回行うなどして、できるだけ成分が残らないようにしましょう。肌への優しさも考えて、敏感肌用や自然由来成分の洗剤を使うのもおすすめです。
匂いが気にならない洋服選びのポイント
素材で選ぶならコレが安心
洋服のニオイ対策を考えるなら、まず重視したいのが「素材」です。素材によっては、製造時に使われる化学薬品の量や種類が大きく異なり、それがニオイの強さに直結します。
特におすすめなのが「綿（コットン）」「麻（リネン）」「テンセル」などの天然由来の素材です。これらは化学繊維に比べて加工の工程が少なく、もともとが自然由来のためニオイが少ない傾向にあります。また、肌触りも良く、敏感肌の方や赤ちゃんの衣類としても安心です。
一方、「ポリエステル」「ナイロン」などの化学繊維は、加工時に防しわ・防縮・撥水などの処理が多く施されるため、強いニオイが残りやすい傾向があります。もちろんこれらの素材にもメリット（軽くて乾きやすいなど）はありますが、ニオイに敏感な方は避けた方が無難です。
服のタグには必ず素材表示がありますので、購入前にチェックして「綿100％」などの表示を目安にすると良いでしょう。最近では「オーガニックコットン」を使用した商品も増えており、より安心して選ぶことができます。
日本製と海外製の違いに注目
新品の洋服のニオイに差が出る大きな要因のひとつが、「生産国の違い」です。日本製の衣類は、製造工程や薬品の使用量に厳しい規制があるため、比較的ニオイが少ない傾向にあります。また、製造から店舗に届くまでの流通過程が短いため、輸送中に密閉されてこもるようなニオイも発生しにくいのです。
一方で、海外製（特に東南アジアや中国製など）の洋服は、大量生産・長距離輸送が前提となっているため、強めの防虫剤や防カビ剤が使用されることがあります。その結果、開封時にツンとしたニオイがすることが多いのです。品質が悪いというわけではありませんが、「ニオイの強さ」だけで言えば、日本製の方が安定しています。
通販で購入する際も「日本製」「国内企画」といった表記があるものを選ぶと、ニオイのトラブルに遭うリスクを下げられます。また、口コミレビューで「匂いが少ない」「そのまま着られた」などの意見がある商品を選ぶのもひとつのコツです。
店頭でニオイをチェックするコツ
洋服のニオイは実際に手に取ってみないとわからないことも多いため、店頭での確認が非常に大切です。まず試したいのは、服を軽くゆすったり手で揉んだりして、空気を含ませた状態で香りを嗅いでみること。これだけで、大まかな化学薬品のニオイがわかります。
また、ニオイが残りやすい場所として「襟元」「袖口」「内側の縫い目部分」があります。これらの部分に鼻を近づけて確認すると、より正確に判断できます。ただし、あまり目立つ動作にならないように、さりげなくチェックするのがマナーです。
さらに、吊るされている状態よりも、畳まれてパッケージされている商品はニオイがこもりやすい傾向にあります。可能であれば店員さんにお願いして中身を確認させてもらいましょう。
「ニオイチェック」は購入後の後悔を防ぐためにも、ぜひ習慣化したいポイントです。
環境配慮型ブランドの選び方
近年、サステナブル（持続可能）な取り組みを行っているアパレルブランドが増えてきました。こうした「環境配慮型ブランド」では、製造工程で使う化学薬品を最小限に抑えていたり、有害物質を使用しない染料を選んでいたりと、健康にも環境にも優しい工夫がされています。
たとえば、「GOTS認証（オーガニック繊維の国際認証）」や「OEKO-TEX（有害物質検査済みの証明）」を取得しているブランドは、世界的に信頼度の高い基準をクリアしており、ニオイの少ない衣類を求める人におすすめです。
国内では、無印良品、パタゴニア、People Tree（ピープルツリー）などが有名で、これらのブランドは製造過程を開示していることが多く、安心して購入することができます。
ニオイだけでなく、地球環境や健康にも配慮した洋服選びができるので、「少し高くても長く着られる服が欲しい」という方には特におすすめです。
購入後すぐできる予防法とは？
新品の洋服を買ったら、すぐにできる予防策もあります。最初のステップとしては、家に持ち帰ったらすぐ袋から出し、風通しの良い場所で半日ほど陰干しすること。これだけでも化学成分の揮発を促進し、ニオイが軽減します。
次に行いたいのが「最初の洗濯」。一度水を通すだけでも、残留薬品はかなり取り除けます。洗濯時には無香料・低刺激の洗剤を使い、ぬるま湯で洗うと効果的です。柔軟剤の代わりにクエン酸を使えば、ニオイの中和効果も期待できます。
また、衣類を収納する際には「炭の消臭剤」や「重曹を入れた通気袋」などを一緒に入れることで、長期間ニオイを防ぐことが可能です。防虫剤を使う場合は、できるだけ無香料タイプを選びましょう。
これらのちょっとした工夫を積み重ねることで、新品の洋服のニオイトラブルを大幅に防ぐことができます。大切なのは、「ニオイに気づいたときに対処する」のではなく、「最初からニオイが発生しないようにする」予防の意識です。
まとめ
新品の洋服を手にしたとき、独特なニオイに驚いた経験はありませんか？その正体は、多くの場合、製造過程や輸送中に使用された化学物質によるものです。特にホルムアルデヒドや染料、防カビ剤などが揮発することで、鼻にツンとくるニオイが生まれます。
この記事では、そのニオイの原因から健康への影響、そして家庭でできる簡単なニオイの取り方や、逆効果となるNG行動まで詳しく解説しました。さらに、そもそもニオイが気にならない服の選び方として、素材やブランド、国別の特徴にも触れました。
結論として、新品の洋服のニオイは「正しい知識とちょっとした工夫」で防げるということがわかります。買ったあとに困らないためにも、素材選びや最初のケアを意識することが、快適なおしゃれライフへの第一歩です。ぜひ、この記事の内容を参考に、ニオイのない清潔で気持ちよく着られる洋服選びとケアを実践してみてください。
